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2013年11月18日月曜日

三谷の金剛童子

岡山駅から山陽本線で数駅、東へ行くと、万富駅というJR駅があります。昔、内田百閒という文士が、この駅で下車して、徒歩で約30分、三谷の金剛童子という神社へ家族に連れられて参拝した、という事です。
かの文士が参拝した時代は多分、明治時代だったはずですから、随分と賑やかだったのではないでしょうか。今では道まですっかり変わってしまい、当時にはあったであろう、沿道の民家や桜並木もすっかり消えてしまいました。


当時、彼が歩いたであろう道を記してみました(google mapから)。【ご注意:現在では通行不可能な場所が何カ所かありますので、現代の地図をご参照下さい。】三谷から道は本道と別れ、山の中へと続きますけれど、その入り口には真新しい鳥居がありますので、それとすぐにわかります。古い鳥居の上にはたくさんの小石が乗ってましたけどね。広い駐車場もあるんですが最近ではいつもチェーンで入場できなくなっています。

この場所で、道は吉井川の流れと合流します。まだ、鉄道が無く、物資の輸送が舟だった頃、ここは西から山越えして運ばれた物資を積み出す港になっていたようで、殷賑を極めていたことでしょう。

鳥居をくぐって桜並木の小道を数分間歩くと拝殿に到着します。


屋根瓦は近年、新しくなったようです。この拝殿前の広場ではかつて、8月に夏祭りの縁日があって道の両側に露店が立ち並んでいた事もありました。拝殿左側の道を奥に入ると


ここには昔ながらの「いわざる・みざる・きかざる」の像があります。赤い前垂れが本当に奇麗です。作ってくれた人に感謝。これを見ていると、峠道の六地蔵を連想してしまいます。拝殿裏側の岩山が左手で、拝殿裏から岩山の岩窟に収められた小さな本殿?と思われる建物に橋が架けられています。ご本尊は、やっぱり拝殿後ろの岩山ではないのかな。金剛というくらいですし、廃坑跡もありましたしね。この道を通って拝殿を一周した後、続く山道の方向に紅葉が見えます。


とはいえ、小さな公園ですから内田百閒好きな人は別として、あまり期待して訪れる場所ではありません。

そうそう、せっかくですので、万富駅から徒歩5分のキリンビール工場見学をしてみるのもいいでしょうね。岡山駅から電車利用で万富駅に下車して足が無い方は、瀬戸駅前にある皿井タクシーに電話をかけてみるといいかもしれません。キリンタクシーというのもあるようですが、そちらはよく知らないのでパス。

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