日本における囲い込み(かこいこみ:enclosure)とは
携帯電話3社によるユーザーを自社に縛り付ける目的で行われた販売戦略の事。歴史的に繰り返し行われてきたが、現在までに2度のプロセスが確認される。まず、携帯電話以前の時代に国内電話で名を馳せた「日本とっても飛ばせる(NTT)社」。同じ頃海外電話で名を馳せた「海外どうどういけてる(KDDI)社」。そして新興の「そんなにボルの(SB)社」である。
第一次囲い込みは3社の値引き主導で行われたのに対し、第二次囲い込みはユーザー2年縛りで行われた。
●第一次囲い込み
携帯電話はまず国有会社を前身とするNTTがほとんど独占的な地位でサービスを開始した。そこに待ったをかけたのがKDDIで2社は値引き戦略でユーザーを取り込もうとしたが、悲しいかな、お互いボンボン育ちで決定打に欠けた戦略した持ち合わせなかった。そこへ殴り込みをかけたのが、あざとい商売で成り上がった新興のSB社。三つどもえで値引き戦略は携帯機種代金が0円までに至り戦略は行き詰まりを見せたかにみえた。
各社ともインターネット接続を謳ってはいたがそれは嘘だった。単にメール機能が使えるという事と自社の有料サイトへの誘導の2点でしかインターネットを使えなかったからだ。何故ウェブサイトを閲覧できる機能を持った携帯電話が開発されなかったのか不思議なのだが、そこまで突っ込むのはやぶさかというものだろう。
日本でウェブサイトを閲覧できる機能を持った携帯電話が開発されないまま足踏みしていた頃、米国ではオレンジ社が「いっぱつ電話(iPhone)」を開発していた。それはかつてオレンジ社が「ニート」という通信機能を持った小型コンピュータで苦い失敗をした経験から、携帯電話の中にコンピュータを組み込みインターネット接続できる製品に仕上がっていた。そしてその販売戦略として携帯機種代金2年払い+契約2年縛り+違約金という手法を導入した。
●第二次囲い込み
このオレンジ社が日本に「いっぱつ電話」を売り込んだ先がSB社。その際に「携帯機種代金2年払い」の方がどういうわけだか、携帯機種代金実質無料なる意味不明の言葉が開発された。「いっぱつ電話」人気にあやかりSB社は他の2社からユーザーを奪い続けた。KDDI社は慌てたように「いっぱつ電話」の導入を企った。KDDI社が導入した際に、どういうわけだか、契約2年縛りが契約永久縛り(地獄縛りとも云う)に変更され契約後2年経過しても契約解除が自動的に出来なくなった。そればかりか違約金も継続して発生する仕組みに変更された。囲い込みの手法はこれ以外にも固定電話やタブレット端末にまで及ぶようになった。これを昔の人はこう言い習わした「タダ程高いものはない」。
ユーザーが羊の群と同様に囲い込まれてしまうのか、それとも自由を求めて脱出を試みるのかは今後の話。
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